投手にベンチプレスは必要か

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アメリカのトレーニング施設「Tread Athletics(トレッド・アスレチックス)」から『Should Pitchers Bench Press?(投手はベンチプレスをすべきか?)』という非常に興味深いYouTube動画が投稿されていたので、今回はその内容について触れたいと思います。

日本では昔から「投手はあまりベンチプレスをするべきではない」という考え方が根強いと感じています。

私自身も「投手はベンチプレスをしない方がいい」ということに対して、根拠もなく当たり前の事として捉えていたため、大学野球を卒業するまでベンチプレスには取り組んでいませんでした。

果たしてその考え方は正しかったのでしょうか?

実際のところはどうなのでしょうか?

今回はこの「投手とベンチプレスの必要性」について私なりに考察していきたいと思います。

動画ではどのような結論を出しているのか、また動画の結論を踏まえて私自身はどう考えているのかについてまとめていきます。

「Tread Athletics」の見解

今回の話題のきっかけとなるYouTubeを投稿した「Tread Athletics(トレッド・アスレチックス)」

は投手の成長・育成に特化した取り組みを行っており、多くのメジャーリーガーを輩出している実績のある施設で、私も信頼して勉強させてもらっています。

動画内での結論を一言で言うならば、「ケースバイケースだが、適切に行えば非常に効果的なツールになる」というものでした。

この「ケースバイケース」「適切に行えば」というところは抑えておく必要がありそうです。

以下に動画で話されているポイントをまとめました。

登板頻度によっての違い

・若手・アマチュア選手(登板が週1回程度):   スケジュールに余裕があるため、筋力向上のために積極的にベンチプレスを取り入れることを勧める傾向がある。

・プロ・リリーフ投手(連投や過密スケジュール):   回復への影響を懸念し、シーズン中に高頻度でガンガン行うことはほぼない。

「やるべきではない選手」の判断基準

全員に推奨するわけではなく、「肩の内旋可動域」を見て判断するとのことです。

肩の内旋可動域が硬い選手は、制限を悪化させないよう、フロアプレスやダンベル、ケーブル種目を選択します。

※挙上重量や挙上速度の把握がしやすいなど、プログラムを管理しやすいという理由からバーベルでのベンチプレスを主としているようです。

実施タイミングは投球後、ボリュームは投球頻度との兼ね合いを見て行う

次回の投球までの回復期間を確保するためにも、投球後にトレーニングを行うことで上半身へのストレスを投球日に集約させます。

基本的には高強度で少ない量(回数は少なく、重たさは重く)のトレーニングプログラムで行います。

特に投球や打撃が多い時期に多くの量のベンチプレスは行わないようにします。(疲労が蓄積するため)

長期的なリスク「コンプレッション」とその対策

長期的に重いベンチプレスを続ける懸念点として、身体が硬くなり(動画では圧縮されると言っています)、回旋動作が損なわれるリスクがあることが挙げられます。

これを防ぐために以下の対策が必須とされています。

・ユニラテラル(片側)種目の導入:シングルアーム・ケーブルロウやランドマインプレスなど、片側で行う種目を取り入れ、圧縮作用を打ち消します。

・投球プログラムの維持:プライオボールやキャッチボールを継続し、回旋動作の質を確保します。

以上は動画で説明されていた内容の一部になります。

詳しい説明など気になる方は是非基の動画をチェックしてみてください。

【YouTube】『Should Pitchers Bench Press?(投手はベンチプレスをすべきか?)』

私の考察:日本での定説とどう向き合うか

これらを踏まえた上で、日本でよく言われる懸念点や、私自身の考えをお話しします。

投手にとっての大胸筋の重要性

そもそも大胸筋は投手に必要なのでしょうか?

実は、「大胸筋の発達具合と球速には相関がある」ということが分かっています。

投球動作において、胸が張られた状態からリリースに向かう際、肩関節を強く内旋させる動きに大胸筋は大きく貢献します。

つまり、球速アップを目指すなら大胸筋は「必要なエンジン」の一部なのです。

「可動域が狭くなる」は本当か?

日本では「ベンチプレスをすると胸の前の可動域が狭くなる」とよく言われます。

これについては、動画内でも「内旋可動域が狭い選手にはやらせない」「圧縮のリスク」として触れられていました。

ベンチプレスは「肩の内旋」や「前方への推進力」を鍛える種目です。

そのため、ベンチプレスのみならず大胸筋ばかりを鍛えることによって、肩が前に引っ張られやすくなっていくことは事実であり、俗に言う巻き肩の症状が懸念されるようになります。

巻き肩は肩周りの痛みを引き起こす原因にもなり、胸を張った(開いた)時の可動域も狭まる原因となります。

これがベンチプレスで懸念される最大のデメリットであると私は考えています。

ただし、動画と同様、適切な対策を行うことでこのデメリットは大きく軽減できると私も考えています。

バランスを取るための「必須種目」

前項で可動域の制限というデメリットについて説明しましたが、私の考えとしては「ケアを怠れば狭くなるが、対策すれば問題ない」と思っています。

トレーニングと並行して大胸筋のストレッチを行い、動画で紹介されていたような対抗種目(ユニラテラル種目など)を併用すれば、投球に悪影響が出るほどの制限は防げると考えています。

具体的な対抗種目として、私は以下の「背中側・外旋」のトレーニングをセットで行うことでベンチプレスのデメリットを大きく軽減できると考えています。※私自身実際に取組中です。

・リアレイズ(肩の後ろ側)

・キューバンプレス、エクスターナルローテーション: 棘下筋(きょくかきん)のエクササイズ(肩の外旋運動)

・大胸筋のストレッチ

これらを必須として組み込むことで、ベンチプレスのデメリット(巻き肩や圧縮)を相殺し、メリット(上半身の爆発力強化)を享受できるはずです。

また、動画でも触れられてはいませんでしたが、可動域とは別にベンチプレスというトレーニングは肩関節への負担が大きいこともデメリットであると考えています。

これについては、無理のない重さ、正しいフォームを身につけることを第1歩目として取り組めば防げると考えられます。

まとめ

投手にベンチプレスは必要か?という問いに対しては、「基本的には必要」という方向で考えて良いでしょう。

ただし、動画にもあったように「ただ闇雲にやる」のはNGです。

・ 自分の可動域は十分か?(内旋チェック)

・ 時期は適切か?(投球頻度との兼ね合い)

・ ケアはできているか?(対抗種目のトレーニングやストレッチ)

これらを天秤にかけ、デメリットを管理できるのであれば、ベンチプレスは球速アップのための強力な武器になります。

肩の内旋可動域のチェック方法についてはこちらのサイトhttps://kaiseihp.jp/news/30074/

を参考にしていただくのがわかりやすいかと思います。

まずは軽い重量から、決して無理をせず、自分の体と相談しながら取り組んでみてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

何を始めるのにも遅すぎるということはありません。

成長(grow)するために行動(activity)を起こしていきましょう。―Grovity Baseball―

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